データサイエンティストの備忘録

外資系コンサルティングファームでデータサイエンティストとして働く筆者がコンサルティング関連の知見やデータ解析技術を活用するために学んだ内容の備忘録

【読書メモ】仕事の「質」と「スピード」が上がる仕事の順番

読んだ目的

  1. マネージャーロールを担う上でタスクが溢れ出ることが増え、生産性を上げるためにも仕事の順番をスタッフレベルからレベルを上げる必要があるため
  2. スタッフに対する仕事の割り振りが遅れると全体が遅延するため、いかに進め方を改善して手が止まる瞬間をなくすため

得られた学び

本書にはコンサルで働いてきた筆者の仕事の進め方に関するTipsが書かれている。まず、仕事ができるとは、その仕事の状況にあった「正しい手順を踏む」ことである。それには仕事を始める前にしっかりと考える必要がある。

 

仕事の手順の定石:GRAPH

  1. Goal(目的・目標):目的・目標を定め、何がゴールかを確認する
  2. Route(道筋・打ち手):ゴールへの行き方・手順をゴールから逆算して計画、打ち手を洗い出す。目指す数値がある場合は逆算する。
  3. Agreement(すり合わせ):上司や部下、取引先、依頼主と仕事の進め方、情報共有の頻度やタイミング、手順に問題ないかすり合わせを行う。最初に自分自身で考えを持ち、足りてない視点をアドバイスしてもらう。
  4. Progress(実行・進捗管理):仕事を進める。問題が起きた場合は、何が起きているのかの実態を見極め、原因を探り対処する。
  5. Harmonize(調和):終了確認してフィードバックをもらう。振り返りを行う。フィードバックをもらう場合はポジティブに聞く。

仕事に着手するまでのG,R,Aの3つのステップが最も重要なポイントである。1分でもいいので、目標と道筋について考える時間を取り、一言二言でもすり合わせを行う。仕事で自らの成果を高めていく視点では、「同じ失敗を繰り返さない」ことで失敗した時も成功した時も振り返ることで成果の再現性を高める。

 

仕事の質とスピードを上げる終わらせる順番

  • 重いタスクに取り掛かる前に軽いタスクを片付ける。シングルタスクでサクサク終わらせ、軽いタスクの場合はその場で終わらせる
  • 重要度と緊急度の2軸で仕事を整理し、やらない仕事を決め、他人にお願いすることを依頼し、①急ぎの重要な仕事、②納期に余裕のある重要な仕事の順に手をつける。緊急度が低いうちに仕事を片付けるプランニングにする
  • やることが決まったら、具体的な作業計画と作業単位のフローといった実際にやることに分解し細かく落とし込む
  • 作業時間の見積もりで、間に合いそうかを精度高く理解することが重要で、作業時間は細かい作業単位で長くて1,2時間程度、短ければ5~10分単位で見積もる
  • 何にいつから手をつけるかを意識し、マイルストーンを置くときは他者を巻き込んだ予定にする
  • 相談する場合は話の前提と期待しているアクションを明確に伝える

 

会議・ミーティングの順番

  • 会議をセットする場合は、どのように議論しどのようにゴールを目指すのか、当日の進め方について認識をすり合わせる
  • 議論の範囲・枠組みを参加する人、特に部長・課長など会議の意思決定者の意向を確認しておく
  • ブレストは発言内容を否定せず、自分がどう考えているのかを書き出しておく
  • 悶々と思い悩む前にサクッと相談し、誰かの頭を借りることを躊躇しない
  • 話す順番は結論からではなく、前提を揃えてから結論を述べる。前提とは①相手の知識量、②どこまで噛み砕くか、③どこまで伝えるかを揃える。話す順番は①前提、②結論、③根拠、④補足情報、⑤相手に促したいアクションの順で話す。
  • 上司が部下に質問する際はオープンクエスチョンで、部下の考えを理解する

 

ミス・失敗を減らす仕事の順番

  • 悪いニュースを伝えるタイミングは少しでも早くアラートを上げる
  • 今のところ遅延がないが、この先滞りそうなことはないか潜在リスクを考える
  • 締切に間に合わない場合は、無理に帳尻合わせて押し込もうとしない
  • 問題が発生した場合は何が起こったかを把握し、解決後は再度起こらないように再発防止策を仕組み化することが重要
  • やった仕事の振り返り、反省、改善点の洗い出しを最後にやるべき作業として明確に定義する

 

仕事を円滑に進めるスキル

  • 資料を見るときは全体→詳細の順に捉える
  • 仮説とは仮の答えで、最低限の理由や根拠がある。会話で仮説検証する場合は、報告する前に相談をする
  • 資料作りの順番はかなり粗い状態で確認してもらい、仮説の精度を上げる
  • 仕事を振る前にやることは①全体像の把握、②どの塊をお願いするか決める、③伝えるべき情報を明らかにする、④進捗確認、⑤感謝を伝え褒める

 

今後のToDo

  1. 目標と道筋について考える時間を取り、一言二言でもすり合わせを行う
  2. 作業時間は細かい作業単位で長くて1,2時間程度、短ければ5~10分単位で見積もる
  3. 相談する場合は話の前提と期待しているアクションを明確に伝える
  4. 問題が起きたら再発防止策を仕組み化する
  5. SVやお客さんに相談しながら仮説検証をクイックに行う