データサイエンティストの備忘録

外資系コンサルティングファームでデータサイエンティストとして働く筆者がコンサルティング関連の知見やデータ解析技術を活用するために学んだ内容の備忘録

【読書メモ】もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法

読んだ目的

  1. 新たにマネージャーとなり、早く仕事の成果を上げるための学び方を学ぶため
  2. 本質的で具体的な仕事のコツを学ぶため

得られた学び

仕事で一流になるには何事もコツがいる。人の活動におけるノウハウは①意気込み、②手法・テクニック・知識、③コツの3種類ある。合格点以上の人が上級者を目指すときはテクニックが必要になるが、40点から70点を目指す時はコツを学ぶことが効果的にである。本書には仕事で必要なスキルの筆者なりのコツが書かれている。

 

一流になれる仕事の学び方

最強のビジネスマンになるには「融通無碍」になることである。強みや弱みにすら拘らない姿勢で、一つ一つのスキルにこだわらず全体観・しなやかさによって勝負する。具体的には、仕事はテクニックではなくコツ、汎用性のあるノウハウを身につけよ等がある。

プレゼンのコツ

プレゼンをする機会は頻繁にあるが、70点を目指すコツは次の3点である。

  1. 声を大きく:ハリのある声で喋るために、声を大きくする
  2. スライドを見ない:逆に言えば聞き手の方を見る
  3. テンポを変える:自分が言いたいことを整理すると、メリハリがつく

本番前の練習は①前日に1回だけパッケージ全体を通しておく、②当日に一度サラッとパッケージ全体を流す、③直前に出だしの言い回しを改めて反復するの3回する。

 

ビジネスマンの成長段階

コンサルティング会社のランクを例にとると次の4段階で成長する。

  1. リサーチアソシエイト:自分から動く
  2. コンサルタントウケる
  3. マネージャー:スタンスをとる
  4. オフィサー:信頼される

細かいチェック項目を気にせず、次のレベルになるためのコツを学ぶ。マネージャーになった今、スタンスをとることでプロジェクトを進める上で起きるトラブルに対して立場を鮮明にし、舵取りをできるようになる。

 

戦略的思考のコツ

戦略の基本は次の2つである。

  1. 差別化が利益を生む:自分が努力したかは関係なく、同じ物では利益は出ない
  2. 資源配分:戦略は組み合わせでしかなく、どこかに集中させることで成果を生む

戦略作りの5大ポイントは次の通りである。

  1. マクロ思考:異なる業界でも共通性は多く、業界全体をマクロに捉える
  2. 切り口の選択:製品カテゴリ等の分類の切り口を変えて製品を捉える
  3. 競争:平均コストの罠など相手の動くロジックや罠を考える
  4. トレードオフ:何を捨て、何を取るかを考える
  5. 定量:定性的な議論を数値化することで議論が可能になる

 

うまい仕事のやり方のコツ

仕事のやり方は基本的に①目の付け方と、②進め方に分けて考える。

【仕事の目の付け方】

課題が分かれば問題は解決したも同じである。目のつけどころを間違えると例外なく泥沼化するため、間違っていると気づいたら迷わず仕切り直す姿勢が必要である。経営者や上司の立場で色々なオプションを動員し、課題・仮説のサイクルまであれこれ考えてみる習慣を身につける。

 

<課題設定>

正しい課題設定が最も重要で、どこに目をつけるかでその後の展開がガラッと変わる。課題は問いかけであり、あまり良い仮説が出てこなくて泥沼になった場合は上司は方向転換する。お客さんに言われたことに沿って仕事を進めながらも、同時に本当に有効な正しい課題設定を考えることに多くの時間を割く。

課題設定できたら、古典的な手法で解決する。その方が納得して受け入れやすい。特殊な機械学習モデルよりも基礎集計の方がお客さんを動かせるのは、それも1つの理由である。

 

<仮説>

良い課題設定とは良い仮説が見つかる課題設定である。正しい課題設定は正しい仮説を生むし、課題設定を間違うと誤った仮説を生む。仮説作りの手法は次の4つがある。

  1. スコープを変える:マクロな視点、ミクロな現場の細かい視点
  2. アナロジーを使う:類似した事例からヒントを得る
  3. 組み合わせを変えてみる
  4. 定量化する

目の付けどころは会社組織の縦のギャップ(経営者視点と現場視点)、横のギャップ(部門間・部署間の課題)を持つ。

面白い仮説は「新規性」x「有効性」である。新規性は目新しさで、今までの考えとは違う意外性を感じさせるものである。有効性は実際に役立つ物である。

 

【仕事の進め方】

仕事の進め方・プロジェクト運営がうまい人は、トラブル・落とし穴を予見できる人、またはトラブルが起きた時にハンドルできる人である。プロジェクト期間を初期中期後期に分けて、何を大切にするか大雑把に決める。

<プロジェクト初期>

  • お客さんと自分たちのチームレベルを把握する
  • ギリギリのスケジュールを立てない

<プロジェクト中期>

  • 面白い答えを探すための拡散と、仮説・答え・コンセプトを絞り込む収束のタイミングかを強く意識する
  • メンバーにふらっと立ち寄ってどんな感じ?と軽く聞き、リスクを事前に検知する

<プロジェクト後期>

  • メンバーは答えを知っているので、隠れた答えを聞き取りで引き出す
  • 深いレベルのニーズに合致すれば、課題設定そのものを変えてもいい
  • お客さんは結局実利を求めているため、それを達成できれば満足する

 

仕事を通じて実践力を身につける

ビジネスは結局お客さんとの人間関係をうまくやれるか否かで勝負している。お客さんに好かれるか否かは仕事の中身とは関係なくディテールで決まる。例えば、相槌の打ち方や可愛いげのある行動、ちょっとしたことを助けた等である。人は欠点で愛される。

お客さんと親しくなるには頼み事をする。セミナーで喋ってもらうなど、負担に感じない些細な頼み事をする。お客さんから何かを学べたり引き出せたりする人は自分の殻を破ってどこまでも伸びていく。

その時の仕事7割、それ以外のこと3割で仕事を進める。5,10年後を意識して時間の使い方を決める。

 

今後のToDo

  1. プレゼンは大きい声で、スライドを見ずに、言いたいことにメリハリをつける
  2. あまり良い仮説が出てこなくて泥沼になった場合は上司は方向転換する
  3. まずはお客さんとの人間関係をうまくやるために、ちょっとした頼み事をする