読んだ目的
- マネージャーロールとなり時間のない上位レイヤーとの会話頻度が増加したため、改めて説明の順番をおさらいするため
- 伝えたい事をすぐに理解してもらい、アクションを取ってもらいやすくするため
得られた学び
本書には伝わりやすい説明の仕方とトレーニング方法が書かれている。説明は常に相手の立場や理解度を意識しながら話すことがポイントとなっている。説明には①自分主導と、②相手主導の説明の2つがある。
自分主導の説明
自分の主張や結論をゼロから組み立てるパターンは次の5つのStepに分けて説明する
- 前提を揃える:相手の知らない事、忘れていそうな事はまず前提(数字の定義、表やグラフの見方等)や相手のレベル、話のスコープを揃える
- 結論・主張・本質(解釈):先に期待する行動を伝えた上で、結論を言う。
- 根拠・理由・事実:事実に基づくロジカルに組み立てる(別本参照)
- 補足情報:メインのストーリーの中で伝えなくても問題ない話
- 結論・相手に促したいアクション:結論以降の話が長いと出口を見失うので、最初の主張に帰結することで、自分の説明を完結させる
相手主導の説明
相手から質問を受けて説明する場合の、相手主導の説明は次の3点を抑える。
- 大きいポイントから小さいポイントの順番で説明する
- 相手の知りたいことは解釈か事実かを見極め、相手の聞きたい方から話す
- 事実を話す時は客観的なものを選択する
長いと伝わりづらくなるが、次のポイントを気をつけて説明する。
- 優先順位は相手の知りたいことで、関係ない話は切り捨てる
- 本編と補足情報に二分し、本編以外は後ろに回す
- 不要な情報と分ければ、途中で省く:相手の知っている情報など
思考を整理するコツ
自分の思考と相手の思考を整理するコツをそれぞれまとめる。
【自分の思考を整理するコツ】
説明がうまくいかない問題の本質は、言いたいことが決まっていないことである。上司への報告など、説明する前にやるべき思考をまとめる4ステップを整理する。
- 相手の知りたい事の明確化:まず聞き手が知りたいことを明確にする
- 自分が伝えたい事の明確化:相手にどう動いて・変わって欲しいのかを整理
- 情報ギャップがないか確認:知りたい事と伝えたい事の差分を確認
- ギャップを埋めるために何が必要か:自分の情報を補強するか、相手の期待値をコントロールすることでギャップを埋める
自分の思考を紙やノートに書き出して、単に眺めて思考を整理する基本動作を行う。具体的な状況をイメージさせるキーワードを選んだまとめを作る。
【相手の思考を整理するコツ】
相手の思考を整理する時は次の3つの方法がある
- 地図で整理:説明の冒頭に全体像(=地図)を提示して、説明や議論における地図を作り、議論の主導権を握る。地図は大きく作り、地図外の話が出た場合は地図を広げる。どこに焦点を当てているかを整理し、常に立ち戻るようにする。
- 質問で整理:説明は相手の聞きたいことを話すことが重要で、質問をすることで、相手が欲しい情報を見つけ出す。相手が欲しい情報を探す時、自分が弱い立場の場合は相手が求めているものを想像し、強い立場の時は過去の自分を思い出す。
- フレームで整理:4P, 3Cなどのフレームワークを使うことで、構造化する。
説明力を磨く思考習慣&トレーニング
説明力を伸ばすために、次のようなトレーニング方法が記載されている。
- カラーベイジング:思考が硬直化している時、特定の色を探すと決めて周囲を見回すことで見え方が変わる。他にも子供連れ、ペット連れなど探すものを決める
- 要素分解:文章を単語毎に分解する。具体的な課題に対する打ち手を考える時、その打ち手が課題にミートしているかをチェックする時に使う。
- プロセス分解:複雑なタスク(パーティなど)もプロセス別に分解することで、やるべきことをシンプルな作業に落とし込める
- 捨てる技術:色々なことを説明したい気持ちを我慢することが大切で、1点に絞って説明するようにトレーニングする
- 数を3つにする:説明の条件や要因を3つ挙げる。考えて2つの場合は、足りていない要素を見つけ、4つ以上の場合は共通項で括り3つにする
- 粒度を揃える:カテゴリーの定義を考え、ツッコミどころを探す。プロセス分解でカテゴリーをMECEに分類する
- クリスタライズ:抽象的な表現にせず、具体性を残すために、概念化をできるようになる。プあだ名をつけることで本質を一言で表せるようにする。
今後のToDo
- 自分主導のプロセスで説明内容を整理する
- 課題に対する打ち手を要素分解してミートしているかチェックする
- 粒度感とクリスタライズのトレーニングを行う