読んだ目的
- クライアント企業のKPI設定や予測モデルを構築しているが基礎的なKPIマネジメントのお作法を知っておきたかったため
- クライアントの現場の人にKPIとその予測結果をもとに施策検討等のアクションを適切に取ってもらうためのTipsを知るため
得られた学び
本書にはKPIマネジメントに必要なステップと実戦のコツ、事例集が書かれている。広範に適用可能なの中でも特に今後に活用したいことをメモしていく。
- KGI(Key Goal indicatior)=最終的な目標数値
- CSF(Critical Success Fssctor)=最重要プロセス
- KPI(Key Performance Indicatior)=最重要プロセスの目標数値
それぞれの関係は下図の形で表される。
KPIマネジメントの正しいステップは下記の10ステップある。
- KGIの確認:利益や売上等
- ギャップの確認:KGIとの差分を確認する
- プロセスの確認:自社のビジネスを数式としてモデル化する
- 絞り込み:CSF設定(コントロールできない定数と変数を区別し、変数から選ぶ)
- 目標設定:CSFの数値目標=KPIを決める
- 運用性の確認:理屈上の正しさを確認する(=整合性)、KPIの数値が安定的に入手できるか(=安定性)、全員理解できるか(=単純性)を確認する
- 対策の事前検討:数値が悪化した時の対策(人・資金を投入するかそのままか)いつ、どれくらい悪くなったら、どうするのか、最終判断者を整理する
- コンセンサス:最終判断者を関係者間で確認する
- 運用
- 継続的に改善
KPIマネジメントを実践するコツは次のようなものがあった。
- 最も重要な数値1つだけに絞る
- KPIは全員と共有できるようにする。CSFが分かりやすいこと、覚えやすい数値であることを意識する
- KPIの分母が変数の場合は変更することも考える。CVRではなくCVや、1万通当たりCVRもあり
- PDDS(Plan:よく考えて、Decide:すばやく絞り込む、Do:徹底的に実行し、See:きちんと振り返る)サイクルを施策実施の2週間後にやる等、振り返りを仕組み化する。
- 構造とは全体像でメカニズムがどうなっているのかを明らかにすること、水準はそれがどの程度なのか数値で把握する1顧客増加のための平均広告宣伝費や、1営業量を増やすための人件費等、事業戦略や戦術が小さい項目を定数として扱うと良い。
KPI事例集
- 営業活動KPI:受注率(営業活動量x受注率x平均単価;他は定数とする)
- Hot Pepperの広告KPI:Hot Pepper内のターゲットエリア内店舗の広告比率
- 特定企業への営業KPI:課題解決提案企画の作成とライトパーソンとの関係
- 従量課金モデルKPI:歩留まり率(購買率x行動シェア(提案製品数))
- 採用活動KPI:応募数や応募から内定出すまでのスピード
- 社内広報KPI:採用活動支援を目的に企業認知率や転職意向率
- 社内スタッフのKPI:従業員満足度(閾値を設けて予算の増減を実施)
- 集客担当:事業の目的であるマッチング目標をKPIにし集客単価の基準を設ける
- 仕事ができるようになるためのKPI:週2冊読書から、1日100分をKPIに設定する
- 健康に過ごすためのKPI:健康な体のCSFである歩くことがあり、KPIに歩数を設定
今後のToDo
- 重要なKPIを1つ設定する動きをする
- 分母が可変なKPI(例:CVR)は分母を固定した上で、CVをKPIとする
- 施策のPDDSを回せる形で効果検証、ダッシュボード化を進める