読んだ目的
- プロジェクトの獲得、クライアントの期待値を満たせるようなアウトプットを実現するためのマネジメント方法を学ぶため
- マネージャーになるためにプロジェクトマネジメントを学び、チームメンバーをリードできるようになるため
得られた学び
本書ではプロジェクト開始前からクローズまでの全プロセスにおけるマネジメント方法が記載されている。これからマネジメント層となる上で、今後活用したいことをメモしていく。
1. プロジェクトが始まる前
- プロジェクトの目的を明確にするために「何のために?」という疑問に対する答えを持つ
- プロジェクトの成否は「人材が先、計画が後」であり、プロジェクトに必要な人材の質と量に対して、100%となるようなチーム体制では破綻する
- プロジェクトの成功・失敗がリーダーの評価であり、メンバー的に戦えない場合は強硬に主張することで、関係者の期待値をコントロールすることができる(実態が変わらなかったとしても期待値を下げられる)
- プロジェクトメンバーが物理的に一緒にいられる場所を作り、業務効率を上げる。
- メンバーには夢を持たせる必要がある、目標には合理的思考の延長線上にあって数値表現可能な目標である「合理的計算型」とビジョンで語る目標の「ビジョン型」、とにかく楽しもう!ワクワクしよう!のような「ランダム試行型」3つのパターンをうまく混ぜる必要がある。
- メンバーの力量は成長前提は禁物で、70%の稼働で回る程度にリソースを確保することが必要で、稼働には遊びを持たせる。一方で、成長余力を信じて接して上げることが重要である。
- 期待値コントロールは適切に実施すべきで、低い期待値を通達しておく必要がある。その効果は①プロジェクトの難易度に関する見通しを関係者で共有できる、②プロジェクトオーナーとの間に発生する様々な交渉を有利に進めるカードを手に入れる効果がある。
- プロジェクト関係者裏マップを作る。縦軸に影響力、横軸にプロジェクトへの態度(ネガティブ・ポジティブ)に関係者をプロットして、利害関係者の整理をする。組織認識力とも言われる。
2. プロジェクト序盤
- 最初期のミーティングで期待値を超え、「貯金」を作る。初期段階は当初想定されたより早めにレポートすることで、不安を共有してることクライアントに思ってもらう。
- メンバーにはことあるごとに目的に立ち返らせ、質問することで自分で答えに至る感覚を覚えさせる。意義を伝えることでやる気やオーナーシップを向上させる
- チームは何を言っても許させることを保証し、情報流通量を増やす。長く一緒に働いている関係を作るための1つの方法がリーダーズインテグレーションがある。横のコミュニケーションを活性化することで、チームの自立性を高める。
- 複数のプロジェクトオーナーと個別に合うと要件や仮説が矛盾する可能性があるので、オーナー同士で優先順位をすり合わせてもらう。
- 上位役職者とは生意気なやりとりをしてもOK
3. プロジェクトを着陸させる
- メンバーの時間を適切に配分する。トレードオフを理解し、時間・コスト・品質
- リーダーが考える以上に自分の懸念や心配事を相談することを忌避しようとするので、聞き耳のリーダーシップを発揮して、積極的にメンバーに意見を求める
- キーマンの時間は最初に抑え、方向性に大きなズレがないことを確認する
- 定例会議ではその時点での結論を出す
- 何かおかしいという感覚は早めに共有する。違和感を察するには表情をよく見て、微妙な空気を感じ取る
- 最初に立てたお題・目標には変えずこだわる一方、初期仮説がうまくいかないと感じたら誤っていたことを認め、迅速に作り替えることが必要となる。間違っていた時の対応がリーダーの格を決めるので、間違っていた場合はすぐに認める
- フィードバックはその場で行う。常に自分の能力より少し上の課題の設定を繰り返すことで、成長させる
- 動機付けと権限委譲を渡すことで、メンバーの力量を100%発揮してもらう。その時に行動・タスクではなく目的を伝える。
- 魔の11分(プロジェクトの初期とクロージング)は自分で管理する
4. 計画を成功に導くリーダーシップ
- 慕われるリーダーでも、恐れられるリーダーでもダメで、両者を高次元でバランスさせるリーダーになる。助けて欲しい時は助けてくださいと言える勇気も持つ。
- 抵抗や避難が多ければ多いほど、痛いところを突いていることの証左である
- 1番先に話し始めることで、場をコントロールするという意識を持つ
- いつも上機嫌でいることで情報量を増加させ、他人と比較して指摘しない。
- あるべき(ビーイング)ではなく行動(ドューイング)を変えることから意識する。行動を変える時は一貫性を持つ。
- プロジェクトで起こったことは常にプロジェクトリーダーである自分が責任を持つ
今後のToDo
- 今年の目標に主たるリーダーではないので、チーム内情報量を増加させ、行動から変えてチームを活性化させる。
- 目的を共有して、チームの環境を改善する