データサイエンティストの備忘録

外資系コンサルティングファームでデータサイエンティストとして働く筆者がコンサルティング関連の知見やデータ解析技術を活用するために学んだ内容の備忘録

【読書メモ】1分で話せ

読んだ目的

  1. 会議や内部の進捗報告で報告で言っている事が分からない、もっと簡潔に話して欲しいと言われるため、クイックに自分の言いたいことを言えるようになるため
  2. 相手のロジックの中で会話できるようになり、相手に言いたいことを理解し、受け入れてもらうため

得られた学び

本書では自分伝えたいことをクイックに伝えるために気をつけるべきことが書かれている。伝えた内容を理解し、その気になり、動いてもらうまでに気をつけるべき点をメモしていく。

1分で伝えるためには

何かを伝えるときに考えるべきことは主に次の2点ある。

  1. 相手は誰か:特に①立場、②興味、③自分に求められていること、相手の理解度、どんな風に言うとネガティブな反応するかついて考える必要がある
  2. ゴールは何か:聞き手が意見を表明したらいいのか、賛成してくれたらいいのか、動いてもらう必要があるのか

この2点を伝える前に整理する必要がある。その上で1分で伝えるには次のことを整理してから話すようにする。

  1. 前提を聞き手と共有する:前提とは事例、時代(現在、過去)、コミュニティ(日本人、Z世代等)
  2. 主張(根拠)を明確にする:
  3. 主張を説明する根拠を複数(できれば3つ)用意し、ピラミッドストラクチャーで考える
  4. 意味が繋がっているか、「~だから、~だ」と読んでみてチェックする

逆に頑張ったことや、手間だった作業については話さないようにすることで、余分な情報を省き、主張をクリアに理解してもらえるようになる。

プレゼンターとしては相手を迷子にさせないためには、言葉を短く言い切り、中学生でも分かる言葉で説明することが大切である。スライドもスッキリさせる。具体的にスライドをスッキリさせるには次の3点が例として挙げられている。

  1. 数字はグラフにする
  2. 関係性はオブジェクトを使ったりして位置で説明する
  3. グラフは文章と同様、左から右に過去から未来で時系列を示す

プレゼン後にアクションをとってもらうには

その気になってもらう

人はロジックだけでは動かず、「頭の中に生まれたイメージ」に心を動かされることで、その気になってもらう必要がある。そのためには、プレゼン相手に自分を当てはめて考えるようになる必要がある。イメージを持ってもらうためには、①ビジュアルを見せる、②具体例を示すの2つの手法がある。ビジュアルは写真や絵、動画を使う。具体例でイメージを沸かせるためには、ピラミッドストラクチャーは1段目が主張、2段目が根拠、3段目が事実の3段で作る。あとは、プレゼンで実際に「想像してみてください」と言うことでイメージに入ってもらう。

【動いてもらう】

自分の言いたいことを一言のキーワードで表すことである。覚えやすく、一言でプレゼン全体を表現するワードであれば良い。特に重要な点は、いかに相手の立場に立って話すかで、話し方には大きく3つのレベルがある。

  1. 自分の主観で相手に話す
  2. 客観的に自分を見て話す
  3. 相手に憑依するような感じの自分がいて、相手から見て自分がどう映っていて、どんな話をして欲しいのかを感じながら、客観的な自分が自分を見ながら言うべきことを決める

主観の自分を意識していくことを「メタ認知」と言い、優れているビジネスリーダはメタ認知が高い傾向にある。

事前に根回しやアフターフォローができる場合は積極的にやるべき。例えば、「今度の会議でこんな話をしようと考えています。」とあらかじめ相手の理解を進めておくことや、プレゼンの結果相手が動くか微妙な時は、「詳細改めてご説明したく」と即座に行動すべきである。

実践するには

【会議で質問された時】

まずは相手が何を質問しているかを認識する。Yes/Noで答えればいいのか、アイデアを聞かれているのか、懸念点を聞かれているのか。その上で白黒のポジションを取った意見を言い、その根拠を示す

【プレゼン】

声に抑揚を持たせて大きい声で話すと7割は解決する。あとは誰に向かって話しているかを意識し、思いをこめる。

【上司への提案】

自分のピラミッドを持った上で、上司の意見を丁寧に聞き、主張・根拠という形で上司のピラミッドを作りながら確認していく。意見が合わない時は主張が全く異なる場合もあるが、立場が違うために生まれる差異もある。例えば次の4点がある。

  • 課題を異なるサイズ感で捉えている(その場の問題か、チームの問題か)
  • ゴールまでの時間感覚(目の前の問題か、1年後までの問題か)
  • ゴールに向かう道のりが違う(AかBか)
  • 上司と自分の立場の違いがある(個人の成績かチームの成績か)

その時は共有できるポイントまで遡る。コツは「主観の自分」で自分の意見を伝えるモードと、「客観の自分」で相手の意見を聞き、「あなたの気持ちになってみます」モードを繰り返すことである。

【取引先との商談】

相手のニーズに応えることで、取引先と信頼関係を築きあげることがプロジェクト獲得の最も重要なことの1つで、コンサルで言えばクライアントのアイデアの壁打ち相手になることで信頼を得ていく

ファシリテーション

「ゴールを決める、広げる、軸を決める、絞っていく」のステップで進めていく。まずゴールを決める時は、ホワイトボードにゴール・目的を書く。アイデアを広く募り、何を根拠(軸)に決めるか合意した上で、その軸でゴールに向けた主張を絞っていくプロセスを行う。事前にこれらの流れを考えておくことが重要となる。

今後のToDo

  1. 自分の話をする前に、主張・根拠3つを準備してから話を始める
  2. 主観の自分と客観の自分を繰り返しながら、相手のピラミッドストラクチャーを完成させるイメージで話を聞く