読んだ目的
- 仕事をメタ思考で考え、既存の枠組みに囚われず柔軟な発想で思考できるようになるため
- 自分のスキルをメタ認知することで、活用可能なスキルに転換するため
得られた学び
本書は発想力を上げるためのメタ思考力を鍛えるためのトレーニング方法が書かれている。メタ思考力・メタレベルで考えるとは、自分を客観視したり、1つ上のレベルから物事を見ることで無知の知を認識する、〇〇そのものを考えるといった方法がある。その中でも本書にはWhy型思考と、アナロジー思考の2つについて思考法とトレーニングが記載されている。トレーニングは個別にやっているので、エッセンスを記載していく。
Why型思考
問題解決におけるメタ思考とは、まず問題そのものについて考えることを意味する。問題そのものを上から見て、そもそもこの問題で良いのか?を疑ってかかる。なぜ?で「上位目的を考える」ことで別の手段も候補に上がる。上位目的であるWhy、問題であるWhat、問題解決に向けた具体的アクションをWhen, Who, Where, Howを考える。
Whyを考える意味は次の2つある。
- そもそもの問題を定義し、新たな問題を発見するため
- 問題解決の仕方・優先順位・どの方向性に解決すべきかの示唆を得る
Whyを問うことで因果関係(過去とその結果の現在)を探ることができ、手段に対する目的を問う(未来に向けた現在の手段)等、過去や未来との関係性を表せる。
【Why型思考プロセス】
上位目的を考えるためには、次の3ステップで考える。
- そのままアクションしたらどうゆう解決策か?
- 依頼主の真意(Why=上位目的)は何だったのか?
- 新たな解決策は何か?
アナロジー思考
アナロジーとは類似のものから推論することで、詳しくはアナロジー思考の書籍を参照する。アナロジーは「抽象化」+「具体化」の組み合わせによって成り立っている。抽象的なパターンを見つけ出すためには、具体的な観察事象から「要するに?」や構造・関係性から共通点を見つける。思考プロセスは次のステップで行う。
- 具体→抽象:仕事とは関係ない世界での観察事象を抽象化して特徴を抽出する
- 抽象→具体:抽象化されたパターンを、まだ実現していない世界に適用する
直接的に目に見えない関係性や構造を日常生活やビジネスの中で見出してパターン化することで、アナロジー思考があると言える。関係性や構造を見つけるトレーニングは、要するに?を考えたり、バイキング化のような特徴的な構造を〇〇化して借りてくるようにする。他にも生物の仕組みや、順番や流れを歴史から学んだりする。
ビジネスアナロジー
ビジネスアナロジーは将来の予測において特に有効である。本書にはビジネスでアナロジーを使う上では、のポイントが解説されている。「その2つならではの共通点を探すこと」と、「一般化によって汎用性が上がって他への適用範囲も広がる」ことを両立する必要がある
ビジネスアナロジーの活用パターンを整理する。特に異業界の顧客特性(法人/個人, 新規/リピート ,有料/無料ユーザー比率)、バリューチェーン特性(どこに差別化ポイントがあるか)、商品・サービス特性(ライフサイクルの長さ・ステージ)、財務特性(固定費/変動費中心)、エコシステム(階層構造かネットワーク型か)などを自分の担当業界に適用することがある。例えば、次の項目のように考える。
- 収益モデル:メンテナンスで儲けるビジネスモデル。コピー機/エレベーターの消耗品/メンテナンスの特殊性を上げ、他社の参入障壁を上げることで儲ける
- 顧客構成:タクシー/土産物屋などの一見さんの多いビジネスは立地がKSFで、リピーターの多いビジネスは過度な宣伝を避けて期待値を下げ、満足度を上げる
今後のToDo
- Why型思考で上位目的を考えてからアクションにうつる
- 人の言うことを容易に信じないようにする(Why型思考で)
- 特徴的な構造を〇〇化でストックする